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【インタビュー】伝統を今に届ける 新橋芸者の日常と想い | NEWS

2025/07/28その他

【インタビュー】伝統を今に届ける 新橋芸者の日常と想い

芸者さんたちがその技をお披露目する集大成「東をどり」は今年記念すべき百回目を無事終えました。その舞台となる新橋花柳界が生まれたのは江戸幕末の安政四年(1857)のこと。榮太樓總本鋪が日本橋の袂にお店を構え開業したのも安政四年。榮太樓は昭和26年(1951)に「東をどり」で代表菓子「梅ぼ志飴」を展示したという記録が残されています。また長年点茶の席ではお茶菓子としてお饅頭を提供してきました。

そのようなご縁を通じて今回東京新橋組合様へ取材させていただきました。「東京新橋組合」に所属し、長年にわたり新橋芸者の伝統と誇りを大切にしている秀千代(ひでちよ)さんと、芸者としての一歩を踏み出した見習い中の晴子(せいこ)さんお二人にお話を伺いました。

 

▲インタビューに応じていただいた秀千代さん(写真右)と晴子さん(写真左)。

 

はじめに芸者になるきっかけをお二人に伺いました。

芸歴30年の秀千代さんは石川県金沢の出身、一生かけて出来る仕事がしたいと思っていたところ花柳界の友人に声をかけてもらい、芸者は定年が無いこと、芸には限りが無いことに魅力を感じこの世界に飛び込んだそう。数年後に新橋とのご縁を頂き、金沢から移籍しました。「もし声をかけた相手が和菓子関連の人だったら今は和菓子の世界にいたかも知れませんね」と笑いながら話します。

見習いとして入門四ヶ月目の晴子さん。出身は神奈川県川崎市、小さい頃に日本舞踊を習っていましたが中学のときにやめてしまったそう。以来3年間遠ざかっていましたが「強く憧れていたこの世界で踊りがやりたいと、置屋「千代田」※さんを紹介してもらいこの世界に入りました」と話します。今年3月に学校を卒業後、まもなくして入門。「この世界に飛び込んだ以上、生涯やっていきたい」と力強く話してくれました。秋には料亭でのお披露目も控えています。これから期待の芸者さんですね。

芸者になるための資格や内容を伺うと「特に資格は必要ありません。健康であることと、18歳以上であること(20歳未満は保護者の同意が必要)」の2点だけ。やる気さえあれば誰でも入門できるそうです。もっと難しい難問があるのかと思っていましたが、「やる気」こそが重要なのですね。入門後に学ぶ必須項目は立方(踊り子)は日本舞踊、地方(演奏者)は長唄か清元で三味線や唄を選んで学ぶこと。その他にお囃子、茶道、狂言など一流の先生にご指導いただいているそうです。芸事は全て繋がっていて、何事も勉強になりますと話してくれました。

▲普段稽古をする見番(けんばん)の舞台。ここで様々なお稽古をしているそうです。

 

一般的に入門したらまず置屋で最低1年以上生活をするそうですが、その生活について聞いてみました。「落ち着きのある空間で住んでいて負担がありません。みんな家族のような感じで優しいです」と晴子さん。一緒に生活することで非常に勉強になることが多く、肌着や足袋の洗い方、シワにならない干し方、畳み方など生活に関する知恵も多く学べ、置屋から出た後もその生活習慣は根付いていくそうです。入ったときから先輩は愛情をもってすべてのことを教えてくれ、後輩は先輩方を追いかけて芸の世界を学んでいくそうです。

芸の世界は厳しいと思いますが、先輩からの教えの中で印象に残っている言葉を聞きました。

 

秀千代さん)「芸は普段の生活が全て出るから綺麗に生活しなさい。掃除、洗濯、食事、綺麗な心でいればそれが自然と芸に出る」という言葉。とても深みのある良い言葉だと思いました。

晴子さん)「加津代姐さんからは個性を大事にして型にはまらず自由にやりなさい。だけど踊りだけは厳しく見るからね!」。この言葉通り踊りだけは決して怠らないようにと自分自身に常に言い聞かせているそうです。芸へのこだわりは「技術的なことはもちろんですが、特にお客様に感情が伝わる踊りを心掛けています。『振りよりも気持ちを大事に!』嬉しさ、悲しさ、悔しさなど感情が見えないと観る側は楽しくない」と秀千代さん。この言葉がとても印象的でした。最後に芸者の仕事についてのやりがいとこれからのメッセージをいただきました。

 

秀千代さん)「やりがいはお客様から『良かったよ』と言葉で褒めてもらうこと。拍手もご馳走ですね。百回記念公演はお客様、ご出演いただいた各花街の皆様、全ての関係者の皆様に感謝しかありません。千穐楽には3F席も含め、切符が最後の一枚まで売れたことが今まででいちばん嬉しかった。今後の課題は後継者を育てていきたい、花柳界をもっと盛り上げていくために料亭さんと一丸になり頑張っていきたい、ぜひお客様に来てもらいたいのでよろしくお願いします。」

晴子さん)「憧れる素敵なお姐さんがたくさんいます。私も、舞台を観てくれる人が笑顔になるような芸者になりたいです。百回という記念公演に立ち会えたこと、出演する側ではなく観る側としてとても勉強になりました。このようなタイミングで見習いができたことがとても嬉しい。秋のお披露目に向けて精進していきますのでぜひよろしくお願い致します。新橋に遊びにきてください」。

 

▲東をどりの団扇を手にポーズ。芸者さんの立ち姿は姿勢が美しく、見ているだけで惚れ惚れします

 

▲「千代田」の芸者は大事にしていることは「愛です!」

 

長時間お忙しいなか、取材に対応いただきありがとうございました。芸の世界のお話を直接聞く機会はなかなかないので私たちも大変勉強になりました。江戸から続く新橋花柳界。後継者を育成し未来へ繋げていきたい、この素晴らしい伝統芸能をこの先も愛し続けて欲しい、菓子屋もまさにその思いは同じです。

 

広報部

 

※置屋「千代田」とは・・・現在8名の芸者が所属しています。料亭さんからのお座敷の依頼の受け付け、お座敷に行く芸者衆が支度をしたり、見習いの芸者が住み込みで芸や礼儀作法などを学ぶ場です。加津代(かつよ)さんは置屋「千代田」三代目主人。東京で「芸の新橋」と称される大きな花街において、花柳流を代表する「踊りの名手」として知られています。ここ数年の入門者数は毎年1~3名ほど。

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